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2007-03-02

_ [映画]マリー・アントワネット

 渋谷にて映画『マリー・アントワネット』見る。主演のキルスティン・ダンストが16歳のアントワネットというのはちょっとつらいものがあるが、後半の子供ができてからのアントワネットにはマッチしていた。前半は日本が誇る「そう言うことにして見よう」力(歌舞伎では「黒子はいないことにしておく」みたいなやつ)を発揮する必要があるかな。

 映画としては、あまり明確にメッセージとかを読み取るような映画ではなさそうだ。きらびやかな仮面舞踏会を80年代ロックに乗せて映像化したかった、という欲望に、さらにトッピングとして女の子の普遍的欲望(←性差別発言)を乗せて具現化したものとして見るべきなもの。つまりパーティー!・ファッション・スイーツそして美男子、ってなわけだ。

 そして現代でファッション・パーティーと言えばいわゆるセレブガールw。敢えてメッセージを読み取るとしたら、アントワネットは要は現代のセレブガールみたいなもの、というものかもしれない。若いうちはパーティー三昧、ファッションに凝り凝りでおいしいスイーツももちろん、美男子はべらせて。パーティーで徹夜したあと皆で夜明けを見に行くなんてシーンがあったが、そのまま現代の青春群像でもありそう。

 で子供ができると今度は自然指向になる。ロハスw。つっても出来合いの自然だ。映画では子供に鶏の卵を取るのを体験させるのだが、その卵はあらかじめ庭師がきれいに洗っておいたものなのだ。そんな感じの出来合いの自然を自然とか言い切っちゃう感じとかもう「ロハス」wって感じ。

 こんな感じでパーティー三昧→子供ができたらいきなり自然指向、なんてセレブ、いかにもいそうだよね。そんな人物としてアントワネットを描いている。


 ラストは当然?フランス革命なのだが、これがいささか唐突に見えるかもしれない。伏線的なものは、結局ルイがアメリカに支援すると決断する場面および継続すると決断する場面の二つだけだったし。でも本人達にとっては、本当にフランス革命はこんな感じに唐突だったのであろう。人民が革命を起こすなんて想像すらもせず、この状態が続いていくと思い、自分たちなりにそれなりに真剣に目の前のことに対処していたら、ある日突然革命が起こってしまったのだ。だから映画的盛り上がりに欠けるし、歴史物としても見づらい。でも本人にはそう見えたのだ。今どきのセレブガールが王妃になったと考えたら、そりゃ革命も起こるし、本人的にもこんな感じで訳分からんうちに革命が起こったように見えるよね。そう言う意味ではリアリティのある忠実な描写だと思う。

 ブルボン王家の連中は結局、「目の前のことしか対処してなかった」「必要なだけの能力にめぐまれていなかった」「必要なだけの技能を身につけていなかった」とかそんな感じなわけだが、でもそんなのフランス宮廷以外にも世の中に蔓延しているし。もちろん宮廷は「そんなことがあってはならない場所」なわけだが、「そんなことがあってはならない場所」に「そんなこと」があっちゃうというのも世の中に蔓延しているし。そして兆候にも気がつかずに、事が起こって初めて当人たちは唐突に事が起こったように思ってしまうのだ。いくら兆候があっても、見えない人・見ようとしない人にとってはそれは唐突に見えるのだ。マリー・アントワネットはあなたのそばにいるかもしれないし、あなたかもしれないし、僕かもしれない。


 最後に、この雰囲気が出せるんだったら、と言うか出したかったんだったら、もっと他の題材でもよかったような気がする。僕的には『ミラーグラスのモーツァルト』をこの感じで映像化して欲しかったなあ。

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2008-03-02

_ [社会派]ラグナロク

 俺の家の郵便受けにいきなりビラが投げ込まれていた。内容は「中傷ビラが配布されていましたが、それについて有罪判決が出ました」という内容のもので、配布元はその中傷されていた宗教団体である。

 そういえばそんなビラが昔あったなあ、と思って少し探したら、デジカメで一部撮った写真が残っていた。これこれ。「私たちは恐るべきカルト教団<中略>の即時撤退を求めて運動している市民団体です」とか書いているが、その市民団体の連絡先などが全くかかれていないという、まさに怪文書と呼ぶに値するビラである。さらに二枚目の方のアップを見ればわかるが、「住民による署名運動」の写真では住民の顔が巧妙に写っておらず、正体を隠したいのだろうと邪推させるものになっている。プライバシーのためなどであるなら、普通にモザイクなどをかけるだけで済むのに、このように自然に?隠そうとしているあたりが邪推をする余地を生み出してくれるという、なかなか味わい深いものである。

 とは言え、こんな嬉々としてblogのネタにするような物好き以外にとっては、別に怪文書も有罪判決もどうでもいいからビラ投げ込まんでくれよ、ってなもんだろう。

 端的にいってしまえば、宗教団体同士がなんかわからんが仲違いして、勝手に喧嘩してればいいものをなぜか周りを巻き込んでビラ合戦をしているという、非常に近所迷惑な図なわけである。本人達が思うほど溯及力はない。わざわざこんなビラで報告してもらわなくてもかまわないよ。

 

 我々は大古、すがるために神を発明しそれを信じた。しかし今となっては神々同士で信徒を奪い合うような状況であり、そしてその争奪戦を信徒達が代理して行っているのである。ラグナロク(神々の戦争。ただし代理戦)は、我々の目前ですでに始まっているのだ。

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