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2004-02-05 office氏逮捕 [長年日記]

_ [雑記] office氏逮捕

さて、office氏が逮捕 されたことで巷のセキュリティコミュニティはoffice祭り一色。

まずこれについて言及すべきは、脆弱性があったとしても、それを本人達に連絡する前にクラック方法を公衆の面前で後悔するなんて言語道断、そしてそれで手に入れた個人情報を公衆の面前にさらすなんていわずもがな。これはどうやっても弁護の余地なし。

このニュースを聞いて私がまず驚いたのが、office氏が40歳の社会人だったこと。掲示板に書き込まれた言動を見るに、20才台の社会経験浅めのエンジニアか学生かと思っていたからだ。つまり言動がとても「幼稚」であったという印象だったわけである。

この私の印象が一般的なものならば、脆弱制の指摘のメールなどの言動が、稚拙すぎたんじゃないかと憶測するのはそれほど乱暴な話ではないだろう。実際指摘メールの文体がかなり「居丈高」であったという話は漏れ聞くし。

そうするとなかなか受け取った方もそのメールやら差出人のoffice氏そのものを信用しにくくなる。おそらくoffice氏から見れば、自分の警告があまり正面から受け止められないという感覚を覚えるわけだ。それで言動がどんどん極端になっていき、ついには公衆の面前でクラックして個人情報抜き出しちゃうなんてテロ的な行為に走ったんじゃないだろうか。

例えば指摘の際は、匿名ではなくて自分の社会的立場(京大研究員)などを明らかにしておけばもう少しスムーズに話が進んだんじゃないか。このあたりは業務でやっているわけではないので名乗らなかったのか、それとも「肩書きで判断されたくない」とか言う幼稚な正義感があったのか。まあ真相は分からないが、もっと物事をスムースに進める賢い方法はあったんじゃないかなあ。

その点高木氏は自分の社会的立場から出来ることを地道に激せずやってるよなあ。そう言う社会的な立場を比較的作りやすい立場にいたとは言え。

まあ上記の私の憶測は憶測に過ぎないが、いずれにせよ彼の言動にある種の「焦燥感」を感じた人は多いんじゃないか。焦燥感は時として物事の進みを妨げるのを知らない年齢だったとも思えないのだが。そんなわけで本人の気持ちとは裏腹に、今回の事件は日本のセキュリティ業界に様々な「遅れ」をもたらすんじゃないか。まあ当事者の一人であるACCSがそれを危惧しているのは幸いだが。

ちなみにニュース映像を見てみると、逮捕時には上着をかぶってカメラに顔が写らないようにしていた。確信犯なんだから堂々としてほしかったね。

ちなみに問題となったCGIを設置した業者はこんな声明文を出していた(現在は消されているのでgoogleのキャッシュをリンク)。この程度の業者が跋扈している状況をこそマスコミには問題にして欲しいのだが。マスコミでも少しづつではあるが、(この朝日新聞の記事 とか中日新聞社説とか)問題にしているようなので、それを見守っていきたい。

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2004-02-10 エディ三柴とPython [長年日記]

_ [雑記] エディ三柴とPython

ピアノで弾き倒す華麗なるロック・クラシックス

 ちょいとAmazonで三柴江戸蔵の『ピアノで弾き倒す 華麗なるロッククラシックス』を調べたのよ。でもって「この商品に興味がある人は、こんな商品にも興味をもっています」のコーナーを見てみたら、なぜか"Text Processing in Python""Programming Python"Pythonの本が二冊入っているんだな。三柴江戸蔵のファンとPython使いって何か共通点があるって事なのだろうか。

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2004-02-11 読者モデル/三柴江戸蔵 [長年日記]

_ [雑記] 女性ファッション誌の読者モデル

 前にもかいたことがあるが、女性ファッション誌というのは突っ込みどころ満載である。今回まな板の上に載せるのは読者モデルの肩書き。  読者モデルが誌面に載る際には、名前の他に年齢と肩書き(XX大学X年生とかメーカー勤務、とか)が載るのだが、それに時々とてつもないものが載るのだ。

 例えば今月のCamCanには、なんと「資格取得中」という肩書きが登場している。

 (゜д゜)ハァ?

 司法試験浪人くらいでないと、その肩書きはなかなか名乗れないと思うのだが。なんの資格なんだか非常に興味がそそられる。

 またある一人の読者モデルの肩書きが

  • フラワー講師
  • メーカー勤務
  • イベント企画会社
  • 商社勤務
  • アパレル希望

ところころ(下手したら一つの雑誌の中で)変わったりするという話もある。他にも

  • 航空会社勤務
  • アパレル勤務
  • メーカー勤務

変わる人も。  まあ要は開運お守りの広告に出てくる体験談程度の信用度な訳だ。女性はこう言う肩書きとかの細かいディティールからリアリティを作っちゃうという需要に応えているに過ぎないのだろうけどね。こうなると年齢がホントかどうかなんてことはどうでもよくなってくる。

_ [ライブ] 三柴理 Electric Trio Live

三柴理 Electric TrioのライブがRoland主催であったので行ってきた。製品紹介のイベントということで無料だったし。

曲目は半分程は知らない曲だったのだが、2曲目の3連符主体のテクニカルな曲と、4曲目か5曲目くらいにやった(おそらく)伊福部昭の曲をサンプリングしてそれをテーマにして発展していく曲が気になった。他には「ポップな曲」と称してEL&Pの"Nutrocker"を(前にいた、いかにも元ナゴムギャルなロック姉ちゃんが、「エディがポップって言ってもどうせプログレだよね」とか言ってて笑った。他にもこの姉ちゃんたちは曲のフリとかもちゃんとやってて、昔筋少のライブに行ってたんだなと思わせた)やった。

その後、元筋少の本城聡章をゲストに迎え、筋少の名曲「夜歩く」「サンフランシスコ」「孤島の鬼」を演奏してエンディング。

このトリオのベースの人があまり聞いたことのない人だったのだが(スタジオ中心の人のよう)、これもなかなかの手練。ちなみにドラムは元リンドバーグ。これもかなりパワフル。そんなわけで無料ではもったいないくらいよいパフォーマンスであったことよ。「エディを好きでよかった」とか柄にもないことを大げさにも思ったくらい。

おかげでまた筋少というか三柴江戸蔵ブーム。この間調べた「ロッククラシックス」も買ってしまったよ。Pianism も買ってしまうかもしれない。でもエディのCDで出てるのはどっちかというと静謐なピアノものが多い。それはそれでいいが、こう言うプログレプログレしたトリオももっとやって欲しいなあ。やっぱキーボードトリオはプログレの華だし。特撮はあまり彼のピアノが生きている印象はないので、他に彼のキーボードを聞ける場が欲しいなあ。

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2004-02-22 北出菜奈ミニライブ [長年日記]

_ [ライブ] 北出菜奈ミニライブ

今日たまたま新宿高島屋のHMVに行ったら、北出菜奈がインストアライブをやるというので、せっかくなので見てきた。プロモで見てけっこう気に入っていたし。

第一印象は「細っ!」。ウエストが目茶苦茶細い。となると声量や肺活量が気になるわけだが、肺活量は実際キツいのか、かなり息継ぎが目立っていた。これは息継ぎの技術が稚拙ということでもあるんだろうけど。

しかしながらデビューしてシングル2枚しか出していないのに、多分大して(デビューしてから)ライブはしていないだろうに、アコースティックギター1本(1曲だけ自分も弾いて2本でやったけど)でやっちゃうというのはなかなか肝が据わっている。ギタリストはプロデューサーの人だそうな。4曲歌って(2枚のシングルのA/B面(って言い方も死語)なんだろう)終わり。

まあそんなわけで、まだ歌自体は勢い一発的なところはあるけど、ちゃんと歌えているしルックスもいいし(小生意気そうな目つきがグッド。あと赤い口紅ので唇をひしゃげて歌うので、なんだかエロティックだった)、期待できるんじゃないだろか。CDはCCCDなので買わないけど。

ちなみに矢井田瞳フォロワーとか言われているけど、そもそもの矢井田瞳ももともと椎名林檎フォロワーとか言われていたがおいおい個性も出てきたわけだし、北出菜奈も特に今の段階でその辺の指摘をしなくてもいいんじゃないかな。というかこの辺のフィメールロッカーってもうジャンルとして成立してるような感じだから、フォロワーなんて言いぐさはもはや無意味なのかも。

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2004-02-29 読書メモいろいろ [長年日記]

_ この本は正月休みに実家に持ってかえって読んだのだが(それをなぜ二ヶ月もたって、と言う突っ込みは却下)、本の冒頭で、「教養主義者は里帰りの際に本を持ってかえり読書する計画をたてるのだが、たいがい計画の半分も消化できず休暇を終える」という主旨の記述があって苦笑する。やはり古人も計画通りにいかなかったのか。ちなみに今回の私は8割の達成率である。

内容としては日本のいわゆる「教養」についての変遷史。日本で教養は常に共産主義的思想とセットであった。その辺の経緯も含む。話は高等教育機関が整備されそこ出身の人がある程度の数になり世間に認知されて来た大正時代あたりから始まる。

大正時代の教養主義は、舶来的なイメージが強いが実は農村的庶民的な刻苦勤勉が背景にあった。つまり「身を立て名をあげやよ励めよ」というやつだな。しかしやがて階層化がすすんでいってブルジョア階級が成立すると、いくら刻苦勤勉したとしても、もともとの生まれから洗練されたブルジョアジーには洗練度では勝てないという事態が生じる。

そこで、ちょうどその頃に現れてきたのが、共産主義思想である。共産主義思想は平たく述べるとブルジョアジーを蔑むしそうであるので、そういったブルジョアとの位置関係を逆転できるのである。これが教養主義と共産主義思想のつながりである。

しかしながら現在に至っては、教養の地位が低下してしまっている。その原因はまずは高等教育のマス化があげられる。また、会社内でもとめられる素養が、教養主義的なものから純技術的なものになってきたためでもある。いわゆるジェネラリストからスペシャリストへの人材の変化である。

自分の興味としては、なんでいわゆる教養人のような頭のよい人たちが、あんなリアリティのない共産主義にかぶれてしまっていたのか、ということが疑問だったわけだが、この本ではその歴史的経緯が説得力のある論旨で書かれていたのでそこが興味深かった。

あとは最後の人材の素養の変化だが、スペシャリストももちろん必要ではあるが、ジェネラリストもやはり必要であることは論をまたないだろう。今までジェネラリストばかりを採用・排出してきた日本の環境も極端であったが、今度はその逆の方向に極端に振れるのもチョット違うだろう。つまり教養主義というのはやはり必要なのである。巷がその逆の方向に進んでいるとしたらよろしくない。

が、ただ思うのは、結局ジェネラリストがジェネラリストたる「すごみ」を見せられなかったのが、世の中が教養軽視の方向に進んでいる原因なのではないだろうか。ここでイメージしているジェネラリストは、現在管理職の地についている人々であったり高級官僚である。

_ [読書メモ] 日本人とユダヤ人

日本人とユダヤ人 日本人とユダヤ人

_ この日に買った本。その昔ブームとなった本だが、これはもう典型的な日本人論といっていいだろう。というのはつまり、単一の事例からの一般化、あやしげな言語論、農耕民族と狩猟民族の比較と言ったものに満ち満ちているということだ。これらは全てその辺の日本人論に共通の欠点であるが、この本も御多聞に漏れない。ちなみにこの辺の日本人論の怪しさはロビン・ギルの『反日本人論』(工作舎ISBN4-87502-100-3)が取り上げているが、この本どうも絶版っぽいんだよなあ。

でまあそれはさておき、そうなるとインチキ日本人論の読みどころは、いかにいい加減な結論をそれらしく見せるかというレトリックということになるわけだが、特に後半は、主題と関係あるかどうかもわからないような衒学的な蘊蓄の垂れ流しで、残念ながら読むに堪えない。日本人論ですらない怪しげな蘊蓄の羅列である。例えば聖書の黙示録の「蒼ざめた馬」が誤訳であると主張し、延々と"pale"と"green pale"の違いやらロープシンという作家を引いてあげつらっている。でもってこの誤訳をもって「日本人はユダヤ人を理解していない」とか吹く。そんな誤訳や不理解どの文化間にもあるだろうに、ことさら例を挙げて力説する所以が見つからない。単に蘊蓄ではったりをかけたかっただけなのかもしれない。残念ながら、荒俣宏や南方熊楠を経験した人間は、この程度の蘊蓄では感銘を受けないのだよ。

全体的には、斜に構えた皮肉な文章を書きたいようだが、結局要旨が今一つまとまらないゆえ皮肉にすらなっていない。山本夏彦の爪の垢でも煎じて食後に飲んでおくように。あと蘊蓄についても誤りが多いことはよく知られているとおりで批判本もでている。これも読んだので何か書くかもしれない。

_ [読書メモ] にせユダヤ人と日本人

にせユダヤ人と日本人 にせユダヤ人と日本人

_ これは先日書いた『日本人とユダヤ人』への批判の書。結局ベンダサンの描くユダヤ人の風習にはうそが多く、ベンダサンはユダヤ人ではないだろうと結論づけている。実際その通りで、山本七平氏は死の床でベンダサンは自分である旨告白したという。

その嘘の指摘については実際に読んでもらうほかない。私はユダヤの風習の知識はないので正否はわからないが、少なくとも説得力はこちらの方にある。

が気になる点としては、やはり本筋とは違ったところ(本人的には本筋かもしれないけど)嘘臭いレトリックが使われていることだ。というのはつまり、

山本べンダサンのユダヤ人に関する知識はうそ
   ↓
山本氏の種々の主張は信用できない
   ↓
山本氏の主張する自衛隊擁護論や靖国神社擁護論も語るに値しない論である

_ というような主張をしているのである。いうまでもなく、山本氏のユダヤ文化の知識の信用度とそれらの論の妥当性は全く独立の事象である。それを関連あることかのように語るあたりがイデオロギー的な臭みを感じさせる。その辺は「抜き」でものしてほしかったのだが。事実を元にした指摘のみで十分「読ませる」内容であったので、残念である。

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