2009-04-29
_ [入院]入院記2
電話をかけるといっても、電話機は1mほど離れている。この状況だとかなり遠い。さらには積まれた本やらなんやらが道を阻んでいるのである。それら障壁を崩しつつ電話にたどり着いて119番にかける。
当たり前の話だが、119番ではまず「消防ですか?救急ですか?」と聞かれる。こちとら救急に決まっているのでちょっと面食らう。気を取り直して「救急」と答えようとしたらなぜか言葉が詰まって出てこない。とっさに文章が作れない感じだ(ちなみに後日「失語症」と診断される)。あらためて文章を組み立てて再度言葉を発すると今度はどうにか出る。だがろれつが回らない(こちらも同じく「構音障害」と診断される)。回らなくともまずは必死こいて住所などを伝えた。
またも障害物をなぎ倒しながら財布と保険証と鍵を用意し、玄関前まで出て待機する。とそこで電話がかかってくる。それどころではないのだが、何度もかかってくるので再度這いずって出てみると案の定救急車からだった。確認のため折り返しをするらしい。ということで俺はここで「救急車を呼んだら、直後はすぐ電話をとれる位置にいよう」という教訓を得たのであった。次からは気をつけよう。
電話終了後程なくして救急車が到着し、担架で運び込まれる。途中家の前で道行く人と目が合ってしまい、微妙に気まずい。「急病人らしく目を閉じておいた方がいいのかな?」なんて思っている内に無事車内に搬入された。
そこから救急隊は搬送先の病院を探し始める。今話題のたらい回しに遭遇するかと思いきや、あっさりと見つかる。しかも歩いて2,3分程度のご近所病院である。なんやかんやで10分もしないうちに搬送先へと運び込まれた。
搬送先の病院では真っ先にCTスキャンをとられる。脳の断面のレントゲン写真である。10分ほどで診断が出る。
「脳内出血で即入院」
このとき時計をみたらちょうど9時30分であった。発症から30分足らずで入院生活が始まったのだ。
(続く?)
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_ yama [是非是非続けてくだされ!貴重な記録です.]