2005-09-17
_ [映画] 『銀河ヒッチハイクガイド』
つうこって最近映画づいている俺は『銀河ヒッチハイクガイド』も見てきましたよ! 東京では六本木ヒルズのみの上映ということで、初六本木ヒルズでもありますよ!
とりあえず六本木ヒルズについてまず探したのは回転ドア(の痕跡)ってことは全くなく、ヴァージン東宝シネマへ。ここは席が指定席なので何はともあれ早めに買っておくのがお勧め。特に今回は『NANA』を見に来た奴等で混んでいるはずだから。と思ったら『銀河ヒッチハイクガイド』もけっこう混んでいた。そんなに英国風ユーモアを欲する人々が日本にいるとは。
英国風ユーモアの代表作といえば『Monty Python's Flying Cirkus』だが、そのスタッフの一人であったダグラス・アダムズの小説を原作としたのがこの映画である。ちなみに原作小説はなかなか曲者。Amazonのただただしさんの書評にもあるとおり、
- 1ページに3回は笑うところがある
- ただし、そのうち2回分はイギリス人にしか理解できない
- というのはウソ
といったものである(ちなみに上記引用の最後の「というのはウソ」というのがウソである。これが英国風ユーモアだ)。思えばMonty Pythonは観客の笑い声が入っていたので、笑う所が分かったのだなあと思わせる小説である。
映画の方はほぼ小説に沿った内容で、一つ二つ追加のエピソードや登場人物があるが、それもストーリーの雰囲気を壊さないものである(つうか故人である原作者がシナリオを残していたとか)。ストーリー自体も整理されて分かりやすくなっていると思う。マーヴィンが追っ手を殲滅する方法も小説よりも納得しやすいんじゃないだろうか。というか小説は、その辺を力業でこなしているところが英国風ユーモアと言えば言えるのだが。そういう力業的なナンセンスも、映像化することによってそのナンセンスぶりが分かりやすくなっていて、隣の席のアメリカ訛りの英語をしゃべる白人達もガハガハ笑っていた。
が、アーサー・デントとトリリアンの恋愛要素だけはちょっとぶち壊しだったなあと。まあ映画にするからにはそういう要素をとってつけたように入れないといけないらしいのだが、最近は。でもソコがないとアーサーが決死の覚悟で行列に並んだりするエピソードが(「俺は英国人だ。だから行列なんてなんてことない」という名セリフも)成立しにくくなるので痛し痒し。
でもってこの映画のクライマックスシーンといえば、それはもう惑星製造業者の工場のシーンであろう。全くもって圧巻の一言に尽きる。ルイス・キャロルあたりから始まる伝統的な英国風ユーモアには、適当にあり得ない言葉の組み合わせをしてあり得ないイメージを作り出す言葉遊び的な要素があるのだが、現代のSFXはそのあり得ないイメージを真っ正面から映像化できてしまうのだなあ。
ちなみに宇宙で二番目に巨大なコンピュータの"Deep Thought"ってのはかの有名なポルノ映画の"Deep Throat"のもじりだよな。ちょうど予告編で"Inside the Deep Throat"ってやつをやってて、その後に出てきたもんだから思わず笑ってしまったよ。
ちなみにこの文章の筆者は英国風ユーモアを全く解していないので、よく分からないところを全部英国風ユーモアということにして護摩かしていることをお詫びします。
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