2004-10-24
_ [社会派] 日本学会事務センター倒産
日本に現在どれくらいの数の学会があるかは知らないが、小規模学会も含めればかなりな数になると思う。学会といえど組織であるから、様々な事務処理が発生する。地方学会などは、その地方の中心的な大学（旧帝大とか）の教員や大学院生が担当したりすることが多い。また大規模（全日本規模の専門に分科してない）な学会であれば自前で事務組織を持ってもペイする。じゃあその中間の規模の学会はどうするかというと、日本学会事務センターというところにアウトソーシングしていることが多い。分野が違えど学会事務はけっこう共通する部分が多いわけだし（基本的には学会費徴収と学会員管理、会誌発行とかかな）。ある意味この組織は日本のアカデミーの縁の下の力持ちだったわけだ。
その日本学会事務センターが、今年8月頭に破産したという。倒産の原因は自社ビルを建てたこと！および関連会社への貸付の焦げ付き！だそうな。ちなみに各学会からの預り金は、各学会ごとに別口座にせず同じ口座にまとめてあったとか。
まあなんというか杜撰な。私はもうすでに学会費なんてものは払わなくなって5年以上経つので特に実害はないが、それでも友人知人はアカデミックなところには大勢いるので、他人事ではない（いや他人事なんだけど）。
非常に安定した歳入がありイレギュラーな事態が生じにくいところであるので、それだけに逆に冒険したくなったのかもしれない。とは言え弱小ベンチャーじゃないんだから、屋台骨が揺らぐくらいまで冒険するのはどうも。経営とか投資とかいうものは、普通はリスクと利益を秤にかけてやるもんなんだけどね、その辺の感覚がない人は多い。要は商才のないやつが冒険するな、ってところに尽きるな。ちなみに事務員はほとんど文部科学省の天下りだとか。
あ〜あ。
_ 余談1
ちなみにとある学会は、学会のホームページでのこの旨広報したらしいが、そのホームページも学会事務センターに委託していたため、学会事務センターのサイト閉鎖に伴い見えなくなってしまったそうな。
_ 余談2
ちなみに学会事務センターのサイトは、委託された学会のページも含め、検索エンジンロボット拒否がされているという。
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